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雑感その21です。

■「グリーンオアシス」のモーニング

広島在住の方は、「グリーンオアシス」という喫茶店をご存知だと思います。
主にショッピングセンターなどに展開しているチェーン店で、
最近は県外への出店もあり、店舗数は20店以上になります。

ショッピングセンターの開店時刻に合わせている事が多いせいか、
あまり早くから営業しているお店はありませんが、
11:30までモーニングの提供もあります。
モーニングに味噌汁がつくのも特徴で、広島のモーニングに味噌汁がつくのには、
少なからず「オアシス」の影響もあるのでは?と個人的に思っています。
各店でモーニング内容に違いがあるのかどうなのか?と気になっていたので、
いくつかお店を回ってみる事にしました。

金座街店
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まずは中区にある唯一の店舗、金座街店です。
パルコからも近く、立ち寄りやすい場所にあります。
「グリーンオアシス」の特徴とも言える食品サンプルはこちらでも健在で、
お店の外のサンプルは控えめながら、入ってすぐ左手にズラリと並んでいます。
中に入ってみると、店幅は狭めで奥行きがあるつくり。
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モーニングは、トースト(510円)、サンド(560円)、ホットケーキ(560円)の三種類。
味噌汁かスープかの選択、食パンの耳を切り落とすかどうかも選べます。
画像は「味噌汁&パンの耳アリ」バージョン。
トーストは6枚切りくらいの厚さながら、丁度良い焼き具合でもっちり感もあります。
どこか懐かしい味の味噌汁は、量も多すぎず少なすぎず。
コーヒーは作り置きぽいですがバランスが良い口当たり。

公式サイトを見てみると、「グリーンオアシス」創業店について
「ゆめタウン祇園店」との記載があり、そちらに行ってみる事に。

ゆめタウン祇園店
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「グリーンオアシス」の創業店、「ゆめタウン祇園店(旧イズミ祇園店)」です。
1980年の3月創業で、今年で36年目になるとか。
ゆめタウン祇園店のフロアの一角にあり、中は広々した印象。
分煙もされています。
お店のカラーリングや雰囲気は、「グリーンオアシス」全体で統一された感じですね。
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モーニングは、トースト(510円)、サンド(560円)、ホットケーキ(560円)の三種類。
こちらはパウチのジャムが添えられてますね。
トーストは、やや厚切りの山型パン。
味も、ホテルブレッド系のふっくらした感じで、金座街店と違ってます。
味噌汁も玉ねぎ入りで柔らかい味。
ジャムの存在と味噌汁の玉ねぎで、同じようで一味違う感じを受けます。

「喫茶店・オアシス」について知人と話していた際、
「36年どころか、もっと昔からあったような気がする」という話を聞きました。
別の人からは「広島駅前になかった?」という驚きの言葉も。
トーストの違いも気になるし、気になる時が問い合わせどき!というわけで、
公式サイトのメールフォームから問い合わせてみたところ、
思わぬ「オアシス」の歴史が判明。

呉の海軍で料理人として働いていた方が、戦後焼け野原状態だった広島駅前に、
洋食屋「オアシス」をオープンしたそうです。
場所的に言うと、現在広島駅前の福屋があるあたりで、
当時はバラックの小屋のようなお店だったとか。
何年かのち、その料理人の方の親類、ご兄弟がそのお店を引き継ぐことになり、
駅前の「オアシス」を引き続き運営されていたそうですが、
36年前に弟さんがのれん分けして「グリーンオアシス」を創業、
「ゆめタウン祇園店」開店、という形になったそうです。
年配の方が言う「昔からあったオアシス」というのは、「グリーン」がつかない
「オアシス」の事のようですね。
残念ながら「オアシス」は倒産し、名前が残っている店舗は現在は無いようですが、
駅前とは別の場所にあった「オアシス」について話を聞く事ができました。

マックスバリュ高陽店
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それがこちらのお店、「マックスバリュ高陽店(旧スーパーみどり)」です。
「グリーンオアシス」創業者のお姉さんに当たる方が、
創業の数年前に「オアシス」として始めたお店で、
現在残っている「オアシス」関連の店舗としては最も古い店舗という事になります。
お姉さんが引退後、「グリーンオアシス」が経営を引き継いだという経緯があります。

お店の長い歴史を物語るのが、開店と同時に次々現れる年配の常連さんたち。
注文後すぐに、チャリチャリとお金を卓上に出す常連さんと、
手際よくそれを回収するウェイトレスさん…という定番化した流れに、
「ほほぅ…」とアゴをさするあたくし(深い意味なし)。
こちらのお店は入口の右側に、テイクアウトのソフトクリームやクレープなど、
対面販売するカウンターが併設されています。
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モーニングは、トースト(480円)、ホットケーキ(530円)の二種類。
サンドイッチが無いですが、ちょっとお手頃な価格設定。
層のように塗りたくられたマーガリンにやや圧倒されます。
この時はタイミングが悪かったのか、パンが少し日が経った感じでした。
味そのものは悪くなかったです。
ちなみに、パンの味は今までの二店とも違ってます。

トースト用の食パンは、各店舗で仕入れ方法に違いがあるそうです。
ショッピングセンター内のベーカリー、もしくは近隣のパン屋から仕入れたり、
そういった仕入れが難しい店舗については、
ショッピングセンター内で販売しているパンを使用している場合もあるとか。

ザ・ビッグ安古市店
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ザ・ビッグ安古市店にあるお店です。
入口左右にズラーッと並んだ食品サンプルが壮観です。
左隣には「おあしす家」という、お好み焼きと焼きそばの専門店が併設。
こちらのお店はセルフサービスになっており、先に注文してからアラームを受け取り、
席で出来上がりを待って後ほど取りに行く、という方式です。
席数が多く、開放的で広々としたつくりになってます。
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モーニングは、トースト(480円)、サンド(530円)、ホットケーキ(530円)の三種類。
セルフタイプのお店だからか、お手頃価格になってます。
トーストは山型のふっくらした口当たりのパン。
味噌汁はたまたまでしょうが、油揚げが多い。
そして、お箸初登場。

サラダは、ドレッシングは同じですが、お店によって多少盛りに差があります。
あとは、トマトがミニトマトか普通のトマトか、という違いくらいですね。

フジグラン高陽店
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フジグラン高陽の二階にあるお店です。
ちなみに、フジグランの中庭のようなスペースを挟んで反対側に、
もう一店舗グリーンオアシス(グルメアベニュー高陽店)があります。
モーニングの価格帯は同じ設定になってますが、
ドリンクやソフトクリームがテイクアウトできる窓口などもあったり、
純喫茶然としたこちらのお店とは少し雰囲気が違うのかも。
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モーニングは、トースト(480円)、サンド(530円)、ホットケーキ(530円)の三種類。
こちらもお手頃な価格帯のお店です。
トーストのパンは、厚めで真四角のプルマンタイプ。
焼き方も、表面が香ばしくて中がふっくらして好みです。

各店舗でモーニングの価格差はあるのですが、
日替わりランチはどこも同じ価格設定のようです。
あと、お店によってあったり無かったりするメニューはありました。

■まとめ

・大きな違いはトーストの違い
・後の品物は、味や量は多少違うがだいたい同じ
・価格は店舗ごとで多少違う

オアシスのモーニングの特徴ともいえる味噌汁については、
「朝味噌汁を飲む事により気持ちが落ち着くのでは」
という創業者の意向で、創業当時から味噌汁の提供があったとか。
ただ、「トーストに味噌汁は合わないからスープに」という意見があり、
10年前に味噌汁をスープに変更した時期があったそうです。
ところが「モーニングには味噌汁!」という私のようなお客さんが多かったのか、
元に戻して欲しい、という声が多く、また味噌汁に戻したとのお話でした。
「金座街店」など、スープと味噌汁を選べるお店は、その時期の名残りだとか。

今回"妙に「グリーンオアシス」に詳しい人"みたいになってますが、
以上の情報は、全て問い合わせた際に教えて頂いた事柄です。
公式サイトの問い合わせフォームから能天気な問い合わせメールを送ったところ、
「弊社に興味を持って頂き、大変嬉しく思います」と、
現社長の小寺様より非常に丁寧なご返答を頂きました。
勿論、このような能天気ブログの管理人とはお伝えしておりません(いいのか)。

広島駅前にあった、初代「オアシス」について、写真は残っていないそうなのですが、
終戦後の広島が舞台になった「二十四時間の情事」という映画の中で、
主人公の二人が待ち合わせるシーンで当時の「オアシス」が映っているそうです。
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右の「印度カレー」の看板は、「グリーンオアシス」本社の入口に今も飾ってあるとか。

「オアシス」及び「グリーンオアシス」について教えて頂いた事柄について、
趣味のブログに書かせて頂いても良いか、と小寺社長にお伺いしたところ、
「ご自由に掲載して頂いて構いません。素敵なブログを書かれて下さい」との
お言葉を頂戴しました。
この場を借りて心よりお礼申し上げます。
今回行ってない他のお店で発見などありましたら、またまとめようと思ってます。
以上「グリーンオアシス」のモーニングでした。